雪のメール
「なんだ・・・藤谷かぁ」
私はほっとしてその場に座り込んだ。
知らない人だったらどうしようかと思った。
なんか隠れて努力するのなんて
私にとっては少し恥ずかしいし
もともと自分は人見知りだから。
「何してんの?」
「ん、練習」
「もしかして・・・リレー?」
「そうそう・・・そっちは?」
「俺は自主練~」
藤谷はたしか野球部だった気がする。
運動部の人たちは一日でも休みがあれば
体力落ちるってよく聞くし
維持させようとしてるんだな、と
勝手に判断した。
「野球部・・・だよね?」
「そうそう」
「・・・キャッチャー?」
「それ一年のとき」
藤谷は、ははっと笑ったけど
あたしは時の流れを感じてしまった。
私が知っている藤谷と
やっぱりちょっと違うんだな・・・って。