雪のメール
できるだけ元気なあいさつで・・・。
そう思った私は明るく聞こえるように
出来るだけ大きな声で言った。
それに気付いた女子が
ちらほら「おはよう」と
言葉を返してくれた。
それを聞いて私は少しだけ安心した。
(・・・良かった。)
なんとなくこのクラスで
頑張れるような気になってきた。
* * *
朝の会が終わり、一時間目は自己紹介。
「三年間も一緒だから、みんな
ほとんど名前ぐらい知ってると思うけど」
といいながら、とりあえずやるか、と
先生は自己紹介カードを配りだした。
『知ってるからいいよ』
・・・なーんて言葉を先生に言うわけにも行かず・・・。
いきなり自分の苦手分野が最初に来てしまった。
これで私の第一印象が決まってしまうのだ。
私は書き込みしながら憂鬱になっていた。
うつむきながら発表したら
第一印象は暗い人で決定だし・・・
だからって、はっきりしゃべったら
声震えて情けないし・・・
そうやってずっと悩んでいたときだった。
「なぁ、ちえ」
「は、はい!」
隣から声がして反射的に返事して振り向くと
そこには男子。
女子に呼ばれたと思っていた私は
一気にテンションが下がった。
「そんな露骨に嫌そうな顔しなくても・・・」
「え!?嫌そうな顔になってた?」
「なってたなってた」
私は知らないうちに
暗い顔になってたらしい。