雪のメール
「はい、それでは山田ちえさん」
「あ、はい!」
いつの間にか自己紹介は
私の番になっていた。
深呼吸・・・・・・。
暗くならないようにとちらないように。
私は席を立って黒板の前に立った。
視線がぎゅっと私に集まる。
どうしよう・・・声が震えるよ・・・
うつむきそうになったとき
藤谷と目が合った。
目が合うと藤谷は笑いながら
口パクで応援してくれた。
『頑張って前向け』
私は軽くうなずいて
もう一回深呼吸した。
藤谷は私のこと応援してくれてる。
頑張らなくちゃ、と前を向いた。
「山田ちえ、です」