大切なモノ
「ねぇ、精霊さん。願いを叶えるには『大切なモノ』を失っちゃうんでしょ?僕は、何を失うの?」
精霊さんは 静かに話し出します。
『あなたは、もう失いましたよ。“一番の友達”を…。』
「えっ…?“一番の友達”って、リュウくん?」
『そうです。あなたは大切なモノを失った。さぁ、あなたの願いをおっしゃりなさい。』
…そうか。
僕はもう 失っていたんだね。
リュウくん…。
僕は リュウくんと もう一度 遊びたい!!
ケンくんは 強くそう思いました。
「精霊さん!リュウくんと仲直りさせて!」
『あなたの願い、確かに聞き入れました。』
精霊さんが そう言った瞬間 周りが いきなり明るくなりました。