僕の空、私の場所。
四人しかいないこの一室で昼食をとると、いつも決まってでる話題が「この後どうするか」についてだった。
特に昼休みも半ばになったこの時間帯にはサボりの常習犯である四人が一番に考えなくてはならない事である。

そして、それは今日もいつものようにお決まりの文句で始まった。

「受ける?抜ける?残る?」

そう切り出したのは毎度お馴染みの絃人。

「受ける」というのは授業を受けるということで、「抜ける」というのは学校を抜け出してどこかに行く。「残る」というのは、このままここに居るという意味だ。

「俺、残って寝るわ。ゲームもしたいし」

あくびをしながら答えたのは博晄。


「お前は?」

「俺?この後抜けるわ。デート行くけん」

寂しい嘘だな…と思い、あえて菖は何もふれないでいると、ほかの二人も絃人に同情した。

「……。私は受けるよ。菖は?」

「おーい…」という力ない声が聞こえた気がしたが、菖はかまわずに無視した。

「私は抜けようかな」

「じゃ私は受けて天井は残り。菖は抜けね」

「おう」

「じゃぁ、また明日ね」

ちらっと絃人を見てみると、傷ついたらしくシュンとしたようすだったが、面倒なので菖はそのまま荷物をまとめて部屋を出た。
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