傷付け合うわたしたち
指の無い女の子
「ねえ、四年生の女の子にね、左手の指が無い女の子がいるんだよ」
小学三年生の娘、リノが学校から帰って来て言った。
「ふーん。で、リノはどう思ったの」
「どうって……ただ、ビックリしたよ」
「なんでビックリするの?」
「だって、普通、指はみんなあるでしょ?」
「指が無い子が一人でもいるなら「みんな」って言い方、おかしいね」
「…そうだけど」
わたしは娘を抱き上げて言う。
「リノ、『普通』ってなあに?」
わたしの質問に首を傾げる娘。
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