傷付け合うわたしたち
姉は姉、わたしはわたし。
姉のおかげで、地味なわたしも目立ってしまう。
姉のおかげで、先輩が優しくしてくれる。
姉のおかげで、先輩にヒドイ事を言われる。
「自分の力ではどうしようも出来ないこともある」
「自分の知らないところで、自分は(いいことも悪いことも含めて)何か言われている」
わたしはそれを中学へ上がって早々に知った。
女の先輩の言葉は、
「むかつく」
「生意気」
そんな内容だが、わたしは言っている人の顔を知らない。
下駄箱の影から、教室の窓から、わたしに見えないように隠れながらその言葉を投げかける。