傷付け合うわたしたち
 

次の日、学校に行く前にさっちゃんの家に迎えに行った。


「さっちゃんがもうすぐ来る」そう思ってわたしはウキウキして待っていた。


「ハナちゃん、来てくれてありがとう。今支度しているからもう少し待っててね」


「はい」


さっちゃんのお母さんとそんな会話をしていると、さっちゃんが玄関から出てきた。


「さっちゃん、おはよう!」


わたしは久しぶりに会うさっちゃんに挨拶をした。


「……」


さっちゃんは何も言わず、わたしの横を通り過ぎた。


「ちゃんと挨拶しなさい!」


さっちゃんのお母さんがさっちゃんに大きな声で言った。


振り返ったさっちゃんの顔は、怒っていた。


「ハナ、行くよ」


さっちゃんは小さくそれだけ言うと、また前を向いて早足で歩き出す。





 






 







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