傷付け合うわたしたち
 

なんで怒ってるの?


そんな言葉も口に出せず、わたしはたださっちゃんの後ろを歩く。


「ハナ、おはよう!!」


その時、仲の良い友達が来て、わたしに声をかけてくれた。


「あ、おはよう!」


わたしは笑顔で挨拶をして、その友達と一緒に歩き始めた。


ふと、前を歩いていたさっちゃんが立ち止まって振り返り、わたしを見ていた。


「ハナ、おしゃべりしてないで早く来てよ!遅刻するよ!」


相変わらず怒った顔のさっちゃん。


「……ごめん、わたし、邪魔だった?」


一緒にいた友達が申し訳なさそうにわたしとさっちゃんを交互に見た。


「全然邪魔じゃないよ」


わたしは友達にそう言ってから、さっちゃんに言った。


「3人で行こうよ。そんな言い方ひどいよ、さっちゃん」






 












< 93 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop