傷付け合うわたしたち
 

「なんで他の子と話すの?ハナはずっとわたしと居てくれるんでしょ?」


「……他の子と話さないなんてわたし、言ってないよ?それにさっちゃんはわたしと話そうともしてくれないでしょ?」


「わたし、久しぶりに学校に行くんだから心細いんだよ?ちゃんと側にいてくれないと困るよ!」


「フォローはするよ、友達なんだから。だけどさっちゃんが心細いのは、さっちゃんが学校を休んでたからだよ?自分のやったことなんだから、自分でなんとかしようと思わなきゃ。わたしもできる限りのことはするつもりだけど、全部が全部頼られても困る」


「……」


「さっちゃん、朝から怒ってて、態度ひどいよ?このままじゃ、わたし1日側にいる自信ない」


「……ハナを信用したわたしが馬鹿だったよ!!」


突然さっちゃんはそう言うと、また来た道を戻って家に帰ってしまう。


「……ハナ、いいの?なんかごめんね?」


一緒にいた友達がわたしに声をかける。


「……いいよ」


わたしはそのまま、学校に向かった。




 


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