恋の病で死ぬオトコ
「あんた好きな子いるのって」
再び母親が聞いてくる。
「いても言わない」
「そう・・・よね」
「いたら?」
和美を見ずにカレーをかき混ぜながら言った。
「・・・いるの?」
和美は何か言いたそうな表情を一瞬したが
アサトの頭がまだ働いていない事を察したのか
コーヒーを飲み干したカップをキッチンの方へ運んでいった。
7日連続でも美味しいものは美味しい。
カレーを食べ終わり満腹中枢が刺激されたアサトは
再び強い睡魔に襲われた。眠い。
もうひとつ大きなあくびをしたアサトが少し戸の開いた奥の和室に目を移すと
仏壇が視界に入った。仏壇には死んだ父親の写真が飾ってある。
物心つく前に天国へ行った親父の記憶などアサトには当然ない。
親父は何で死んだのだろう・・・
事故か・・・病気か・・・
「そういえば聞いたことないな」
アサトは無意識のうちに小さくつぶやいた。
外は風が強いのだろうか
ベランダに干してあるTシャツが大きく揺れている。
もう一度和室に目を移した。
戸の隙間からこちらを覗く親父の表情は何か不安そうに見えた。
再び母親が聞いてくる。
「いても言わない」
「そう・・・よね」
「いたら?」
和美を見ずにカレーをかき混ぜながら言った。
「・・・いるの?」
和美は何か言いたそうな表情を一瞬したが
アサトの頭がまだ働いていない事を察したのか
コーヒーを飲み干したカップをキッチンの方へ運んでいった。
7日連続でも美味しいものは美味しい。
カレーを食べ終わり満腹中枢が刺激されたアサトは
再び強い睡魔に襲われた。眠い。
もうひとつ大きなあくびをしたアサトが少し戸の開いた奥の和室に目を移すと
仏壇が視界に入った。仏壇には死んだ父親の写真が飾ってある。
物心つく前に天国へ行った親父の記憶などアサトには当然ない。
親父は何で死んだのだろう・・・
事故か・・・病気か・・・
「そういえば聞いたことないな」
アサトは無意識のうちに小さくつぶやいた。
外は風が強いのだろうか
ベランダに干してあるTシャツが大きく揺れている。
もう一度和室に目を移した。
戸の隙間からこちらを覗く親父の表情は何か不安そうに見えた。