キャンパス・ダイアリー
第二章〜夢香目線

あの頃の私

「大学に行かせてください…」

「もちろんいいわよ!ねぇ、あなた!」

「当たり前じゃないか!勉強頑張るんだぞ!」

「ありがとうございます…」




高校三年生の春。

進路の話を親にした。

親って言っても…本当の親じゃないんだ。


私の本当の親は、私を捨てたらしい。

赤ちゃんの頃から孤児として施設で育ってきた。


五歳の誕生日、里親が私を引き取った。

それからはずっとこの二人に育てられてきた。


二人とも優しいし、よくしてくれるけど…



未だに私は本当の親を探している。


里親には心を開くこともできず…。
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