キャンパス・ダイアリー
橋本に『最初に会ったゼミ生に掃除を頼もうと思った』なんて言ったけどさ…


嘘なんだよね。


実は一時間目の授業はほとんどが俺のゼミ生。


そんな嘘をついてまで橋本といたかった。


手出すことはしないから…

何もしないから…って、神様に謝りながらさ…


橋本とすごす時間をくださいって頼んだ。


それが…叶ったんだ…。




「帰ろかな…」




綺麗になった研究室を見回して、帰ることにした。



まだ、微かに残る橋本の温もり。



「じゃあな、橋本…」



『橋本の温もり』にもさよならを言った。
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