キャンパス・ダイアリー
「せっかくだけど…俺は断る。今舞岡が俺の研究室にきて泣いてたよ。上野に引き抜きの話が来たことを小耳にはさんだみたいでさ…。受け持った学生は最後まで見届けてやろうぜ?」



俺の話を聞きながら、上野も涙ぐんでいた。



「舞岡が…?俺を引き止めてた…?」

「行ってほしくないってさ。お前が転勤することで…泣く学生がいるんだから…」



上野は舞岡と同じように泣きわめいた。



「わかった…。この話、断るよ…」



なんとか落ち着いた上野がつぶやいた。




よかったな、舞岡…。




卒業まで見届けるって…。
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