キャンパス・ダイアリー
夢香を守りたい一心で、二人の間に割って入った。



「ふ〜ん…。先生、もうちょっとここにいていい?」



また上目使いをしてきた斎藤さん…。

俺は…とっさに思い付いた言い訳を言った。



「すまん…これから橋本と卒論の二者面談するんだ。悪いが…席外してくれないか?」



最低な俺。

卑怯な俺。


嘘つきな俺…。



ただ…夢香を安心させてあげたかった。



「そうなの…。先生、さっきの返事考えておいてね」



俺の話聞いてなかったのか?


はっきり返事しただろ…?





俺の心の叫びも虚しく…斎藤さんは出ていった。
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