キャンパス・ダイアリー
俺は自分が教授だということを忘れて、小川に言い放った。

好きな人のことを想うと、俺だって一人の男になる。



「じゃあな…」



馬場の手を引っ張り、車に戻った。




俺だって夢香が大好きだから…小川の気持ちはわかる。


だからって夢香は渡さない。




「お待たせ!大丈夫か…?」

「うん…」




夢香は後部座席にぐったり横たわっていた。

まだ顔色も悪く…かなり
体調が悪そうだ。



「小川君なんか言ってた?」

「意識失ってた間のことだけどさ…何もしてないってさ」

「そっか…よかった…」
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