キャンパス・ダイアリー
夢香はそれ以上何もしゃべらず、苦しそうに呼吸をした。



「先生…あいつ、どっかで見たことあるなぁって思ってたんだけど…去年卒業した先輩の弟だ…」

「えっ…?」



突然馬場が深刻な顔をして言った。


小川って…聞いたことないな…。



「先生の講義、たしか一つしかとってなかったな…」

「記憶にない…」



脳みそをフル回転して思い出してみたが…毎日何百人の学生と関わっているためか、全く思い出せない。



「まさかって思ったよ…先輩の弟があんなことするなんて…」



小川は大きくため息をついた。
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