薔薇姫-バラヒメ-

*****


「は―――…」


ベッドの上でごろんと横になったあたしは、もちろん寝れるわけもなく、ただ時間だけが過ぎていった。



…今頃…


レオたちは、どうしてるんだろう。


きっと、笑い合って…


楽しんでるんだろうな…。



ぼんやりと天井を見つめていると、浮かんでくるマレッタの顔。



…可愛いかったな。


女の子ーって感じで。



ちょっとキツそうだったけど、レオにはお似合いだった。


あたしなんかより…



「―――!」



がばっと起き上がったあたしの心臓は、大きな音を立てて動き出す。


胸元の服をつかみ、自分の考えたことが信じられず、あたしは目を泳がせた。



"あたしなんかより"?



何で…


そんなこと考えちゃったんだろう。



< 106 / 263 >

この作品をシェア

pagetop