薔薇姫-バラヒメ-
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宣言通り、マレッタは次の日もやって来た。
「勝負ですわ!」
「やらないからねっ」
あたしが断っても、
「メイさん!勝負なさい!」
次の日も、
「逃げるんですの!?」
…その次の日も、懲りずにやって来るマレッタ。
そして、断るあたし。
だって、あたしにとってはそんな勝負、意味ないから。
…マレッタが、レオと結婚すればいいだけ。
毎日毎日勝負を申し込まれ、さすがにぐったりしたあたし。
ついさっきも、マレッタを追い返したところだった。
あたしは意を決し、レオに抗議を始めた。
「ちょっとレオ!マレッタどーにかしてよっ!!」
優雅に紅茶なんか飲んでいたレオは、口元からカップを離すと、そっとテーブルに置いた。