薔薇姫-バラヒメ-
そして、次の日。
「メイさんっ!」
案の定、あたしの部屋に勢いよく飛び込んで来たマレッタ。
あたしは、マレッタを無理やり椅子に座らせた。
マレッタと向かい合うように、あたしはベッドに座る。
「何ですの?」
「…ねぇ、マレッタ。何で勝負なんかしたいの?」
「―――レ、レオ様を取られたくないからですわ」
少し戸惑うように答えたマレッタを見て、あたしはため息をつく。
「だから、あたしは取ったりしないってば…。っていうかそもそも、レオはモノじゃないよ」
マレッタの綺麗に整った眉が、ピクリと動いた。
「マレッタが勝ったとしても、レオがマレッタと結婚するとは限らないでしょ?…最後に選ぶのは、レオなんだよ」