薔薇姫-バラヒメ-
「ま…マレッタ?」
「わたくし、メイさんに酷いことを言いましたわ!!」
涙で頬を濡らしながら、マレッタはあたしを見た。
「なのにどうして、前向きでいられるんですの!?」
…どう答えていいかわからずに、あたしはゴクリと喉を鳴らすだけ。
「わたくしっ…」
少し声のトーンを落としたマレッタに、あたしは「ん?」と言って身を乗り出した。
すると。
「わたくしはロゼリナータ様が好きなんですの―――!!」
「………へ!?」
そう叫び、両手で顔を覆い、また泣き出したマレッタに、目を見張るあたし。
ロゼ?
ロゼって言った!?
「ちょっ…レオじゃないの!?」
「違いますわっ!!」
即答され、訳も分からず、あたしは頭を抱えた。