薔薇姫-バラヒメ-
マレッタは、ふう、とため息をついた。
「…酷いことを言って、ごめんなさい」
どうやら反省している様子のマレッタに、あたしは苦笑した。
「ううん。マレッタのおかげで、自分の気持ちに気づけたし」
マレッタがいろいろ言ってくれなかったら、あたしは今でも気持ちに蓋をしたままだったと思う。
見てみぬフリをするよりも、認めたほうがずっと楽。
「ありがとう、マレッタ」
「…メイさん」
そこでマレッタは、くるりとあたしに背を向けて言った。
「ま、また来ますわ!その時は、レオ様についてお話しして差し上げてもよくってよ!」
スタスタと立ち去るマレッタを見て、あたしは笑った。
妙にプライド高いんだから。