薔薇姫-バラヒメ-

レオはため息をつきながら、あたしの質問に答えた。


「俺が何か言っても、アイツは意地張るだけだろーし」


「そういうもの?」


「そういうモノ。結局は本人の問題だろ」


…そう、なのかな。

確かに、マレッタはプライド高いけど。


「…でも、同じ女同士なら、何とかなるかなって思った」


うつむいて考えていたあたしは、レオの言葉に顔を上げた。


「…あ。だからあのとき、"話し相手になってやって"って言ったの?」


謎が解けてスッキリしたあたしに、レオは笑って言った。


「ご名答」



―――どくん。



あ…だめだ。

あたし、この顔に弱い。


意地悪なレオはニヤッて笑うけど、時々…すごく優しく笑うの。


その笑顔を見ると、心臓の鼓動が早くなる。



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