薔薇姫-ﾊﾞﾗﾋﾒ-

まさかの展開に、あたしは驚くばかりで。


でも、ネオの瞳をみたら、笑って誤魔化すなんてことも出来ない。


「…ありがと、ネオ。でも、ごめんね。あたしは…レオが好き」


瞳を閉じると浮かぶのは、あの悪戯な笑顔。


あたしが、好きになったひと。


「あーあ。そこまでハッキリ言われるとキツイなぁ」


さっきまでの表情から一変して、へらっと笑うネオ。


「いきなり告った俺も悪いけどさ」


きっとあたしの為に、わざと明るく振る舞うネオを見て、胸が痛んだ。


「ネオ…」


「んー？」


あたしが呼ぶと、ネオは頭の後ろで手を組みながら答えた。


あたしは視線をネオから床へと移し、口を開いた。


「あたし…魔界に残るかわからない」


「…………………は!?」


充分すぎるほどの間をあけた後、ネオが声を上げた。