薔薇姫-バラヒメ-
その優しい腕に包まれて、落ち着いたあたしは、今度は勢いよくレオから離れる。
そんなあたしに驚いたのか、目を丸くしてあたしを見るレオ。
だって、気づいたんだよ。
「あたし、レオが大好き!」
まだ、自分の気持ちを伝えてないことに。
「レオが好きなの!離れたくないの!」
口を開けて、ただあたしを見ているだけのレオに、正直な気持ちをぶつける。
「もう掴んだから、離さない!レオが嫌だって言っても、絶対に離さないんだから!!」
大声で叫び続けて、息が弾む。
そのとき、レオの表情がふっと和らいだ。
「メイが好きだ」
次の瞬間、あたしはまたレオの腕の中にいて。
「…俺も、離さない」
耳元で、そう呟いてくれたレオに、あたしは何度も頷く。
「うん…うんっ…!」