薔薇姫-バラヒメ-
「えーっ?誰?」
「あそこにいる二人です」
無駄な笑顔で、こっちに近づいてくるレオ。
女の人たちの視線が、一気にあたしに集中する。
…イヤな予感。
「ロゼ様と…誰?」
あ、ロゼも有名なの?
…とか暢気に思っていると、キッと睨まれた。
「このちんちくりん…まさか、レオ様の彼女?」
「嘘でしょ!? レオ様っ」
「ちんちくりんって、誰がッ…」
あたしの抗議の声を、レオが片手で遮る。
…あ。
ろくなこと考えてない笑みだ。
「この子は、私の妹です」
…………。
「ええぇ!? そうなの!?」
「レオ様、妹いたんだ!!」
「似てなーい!でも、瞳の色はよく見ると一緒ね!」