薔薇姫-バラヒメ-
…あたしが、抱きついたりしたから。
「…メイ?」
レオの声が、優しく響いた。
…変なの。
レオの声聞くと、安心する。
「…ごめんね」
その言葉は、自然にあたしの口をついて出た。
あたしが謝ったことによほど驚いたのか、レオからの反応がない。
「―っていうか、レオのせいだからねっ」
急に恥ずかしくなって、あたしはレオから離れる。
うつむいたままでいると、やっぱりレオからの返事はなくて。
「…ちょっと、聞いて―――」
顔をあげると、そこには真っ赤な顔のレオがいた。
あたしはその光景に、ただ唖然とする。
…レオが?
あのレオが、真っ赤?
「…ねぇ、レオ…」
「―――う、るっせぇッ」