薔薇姫-バラヒメ-
真っ赤な顔を背けるレオが何だかおかしくて、あたしは笑った。
「―――笑うなッ」
「だ、だってっ…」
レオって、女慣れしてるって…勝手に思ってたけど。
実は違うのかな?
「だってレオ…真っ赤だよ?」
あたしの指摘を受け、レオは悔しそうに呻いた。
「あ―――ッ!かっこ悪ッ!」
髪の毛をくしゃくしゃにかきまぜるレオを、あたしは笑いながら見る。
恥ずかしいセリフはサラッと言えちゃうくせに。
変なとこで照れ屋になる。
これが…本当のレオなのかな。
「レオ…ロゼは?」
あんまりからかうのも可哀想かなと思って、近くにいないロゼの行方を尋ねた。
話が変わったことに安心したのか、レオは落ち着きを取り戻した。