薔薇姫-バラヒメ-
ちらりとあたしを見てから、口を開く。
「あいつらのこと頼んできた」
…あいつら?
「もしかして…女の人たち?」
「そ」
レオは短く返事をすると、「疲れた」と言ってその場に座り込んだ。
あたしは、そんなレオの姿を黙って見ていた。
あんな大勢の女の人たちを…ロゼに?
「…よ、よく了承したね」
「は?」
「だってあの無愛想なロゼがだよ?女の人たちを相手にするなんて」
「…頼んだっつーか…抜け出したっつーか…」
―――え。
ぼそぼそと呟くレオの目は、明らかに泳いでいた。
「まさかっ…放ってきたの!?」
「しょーがねぇだろッ」
しょうがなくないし、信じらんないっ!!
やっぱ悪魔ね、こいつ!!