【長編】Love Step~冷血生徒会長×天然娘の恋愛初心者ステップアップストーリー~
どれにしようかなあ。と呟きながらコンビニのお菓子コーナーで腕組みをする聖良

そんな何気ない仕草がどうしてこんなに愛しいんだろう。

引き寄せて腕に閉じ込めたくなる。

少し困ったような顔も

柔らかく触れる唇も

キスすると時々擦れる様に甘く漏れる声も

……っと、やべぇ。何考えてるんだよ俺。

やばいよな。聖良のこと考えると、時々本当に感情が暴走してしまう。

ホント…。俺ってこんな奴だったっけ?

聖良のこととなると見境が無くなるような自分が時々怖くなる。

「先輩?どうしたんですか。ぼ~~っとしてますよ。疲れてるんですか?」

「え?ああ、ちょっと考え事してた。」

聖良とキスすること想像してたって言ったらどんな顔するのかな。

「なんだか雲行きが怪しくなってきましたよ。夕立が来るのかもしれないわ。早く戻りましょう。」

そう言われて見上げると確かに先ほどまでの青空は鉛色の厚い雲に覆い隠され始めていた。

「ひと雨来そうだな?急ごう。」


コンビニから学校まで走っても5分もかからない。だから甘く見ていたかもしれない。

一気に雨足が強くなりプールでもひっくり返したような雨量になった。

左手で雨を避けながら右手はしっかりと聖良の左手を握って走る。

こんな時でも触れる体温が心地よくて、ドキドキするのって俺おかしいのかな。

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