【長編】Love Step~冷血生徒会長×天然娘の恋愛初心者ステップアップストーリー~
どしゃ降りの雨の中、先輩に手をひかれて走る。
先輩は時々振り返って、あたしを気遣ってくれる。
優しいんだよね。先輩って…。
時々イジワルな態度を取るけれど、基本的に先輩はすごく優しい。
雨足が更に強くなり、叩きつける雨水が塊となって凶器のようにぶつかって来る
当たるとすごく痛い。
視界も悪くて先輩が手を引いてくれる方向へただひたすら導かれて走る。
繋いだ手の暖かさが胸にしみて、こんな状況でさえ胸がときめく。
あたしってヘンな娘なのかな?
「もうすぐだぞ、聖良。そこ段があるから気をつけ・・・うわっ!!」
先輩が最後まで言う前に、あたしは見事にそこに躓いた。
大きく揺れる体。景色が一瞬ぐらりと回る。
繋いだ手をぐいと引き上げるように引っ張られる感覚。
気が付くと私は何とか転ばずに先輩の腕の中に収まっていた。
「きゃん★ごめんなさい。」
「いいよ別に。それより怪我無いか?」
「はい。先輩は?」
「誰に向かって言ってんの?俺が聖良受け止めたくらいで怪我するわけ無いだろ。」
「………したじゃないですか。」
「アレは忘れろ。一生の不覚だ。」
「クスッ。やだ、忘れませんよ。龍也先輩が受け止めてくれなかったら大怪我だったかもしれないもん」
「怪我なんかせずに、カッコよく受け止めていられれば、一生忘れるなって言えたけどな。」
先輩はそう言って照れくさそうに笑った。
あたしはそんなときの先輩の表情が好き。
龍也先輩…好きって言葉に出しそうになってしまう。
恥ずかしくてさすがにそれは出来ないけど、あたしは確実に龍也先輩のことが好きになっている。
昨日より今日、今日より明日と、水の入ったグラスに氷を落としていくようにあたしの心の中には先輩のいろんな表情が詰め込まれていく。
氷が水に変わって量を増していくように、気付かないうちにあたしの心の中は先輩のことでいっぱいになって来ている。
少しずつ少しずつ…あたしの中が先輩で埋め尽くされていく。
それが時々怖くなる事もあって…。
それでも、先輩の笑顔を見ていたくて…
先輩はあたしの何が良くて好きになってくれたんだろう。
先輩は時々振り返って、あたしを気遣ってくれる。
優しいんだよね。先輩って…。
時々イジワルな態度を取るけれど、基本的に先輩はすごく優しい。
雨足が更に強くなり、叩きつける雨水が塊となって凶器のようにぶつかって来る
当たるとすごく痛い。
視界も悪くて先輩が手を引いてくれる方向へただひたすら導かれて走る。
繋いだ手の暖かさが胸にしみて、こんな状況でさえ胸がときめく。
あたしってヘンな娘なのかな?
「もうすぐだぞ、聖良。そこ段があるから気をつけ・・・うわっ!!」
先輩が最後まで言う前に、あたしは見事にそこに躓いた。
大きく揺れる体。景色が一瞬ぐらりと回る。
繋いだ手をぐいと引き上げるように引っ張られる感覚。
気が付くと私は何とか転ばずに先輩の腕の中に収まっていた。
「きゃん★ごめんなさい。」
「いいよ別に。それより怪我無いか?」
「はい。先輩は?」
「誰に向かって言ってんの?俺が聖良受け止めたくらいで怪我するわけ無いだろ。」
「………したじゃないですか。」
「アレは忘れろ。一生の不覚だ。」
「クスッ。やだ、忘れませんよ。龍也先輩が受け止めてくれなかったら大怪我だったかもしれないもん」
「怪我なんかせずに、カッコよく受け止めていられれば、一生忘れるなって言えたけどな。」
先輩はそう言って照れくさそうに笑った。
あたしはそんなときの先輩の表情が好き。
龍也先輩…好きって言葉に出しそうになってしまう。
恥ずかしくてさすがにそれは出来ないけど、あたしは確実に龍也先輩のことが好きになっている。
昨日より今日、今日より明日と、水の入ったグラスに氷を落としていくようにあたしの心の中には先輩のいろんな表情が詰め込まれていく。
氷が水に変わって量を増していくように、気付かないうちにあたしの心の中は先輩のことでいっぱいになって来ている。
少しずつ少しずつ…あたしの中が先輩で埋め尽くされていく。
それが時々怖くなる事もあって…。
それでも、先輩の笑顔を見ていたくて…
先輩はあたしの何が良くて好きになってくれたんだろう。