【長編】Love Step~冷血生徒会長×天然娘の恋愛初心者ステップアップストーリー~
えっと、話は逸れてしまったけれど、そんなスーパーマンみたいな素敵な彼を持っていると、普通の女の子のあたしとしては、色々と苦労したりするっていう事なの。

たとえば…物を隠されたり、嫌味を言われたり、呼び出しをされたり…こう見えても結構毎日が忙しい。

龍也先輩曰く、呼び出しになんか応じなくても良いと言う事だけど、彼女たちの言い分をちゃんと聞いてあげることであたしと龍也先輩の事を認めてもらいたいというのがあたしの気持ち。

そんなあたしを龍也先輩はいつも無防備だと言う。

危なっかしくて放って置けないって言うの。

あたしはね、基本的に世の中に悪い人っていないと思っているの。

どんな悪い人にも、犯罪を犯した人にも必ずそうなった理由があって、好きで悪い事をしたい人なんていないと思うのよ。

ほら、生まれたばかりの頃は誰の心も一点の曇りもない、真っ白だった筈でしょう?

それが変わってしまったのは育った環境やその人を変えた出来事のせいなのだと思う。

だからね、どんなに意地悪をされても、嫌味をいわれても、龍也先輩を純粋に想ってくれる気持ちの表れなのだと思うと許せてしまう自分がいるの。

龍也先輩は『究極のお人よし』とか『国宝級の純度100%ピュア人間』とか言うんだけど…そんなことない…と思う…んだけど?

まあ、お人よしなのは事実だけどね?

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