素直になりなよ
『真衣…真衣っ…あたし…真衣、あたし…真衣にすごく酷いコトしちゃった…ごめんなさいっ!!美菜…真衣の気持ちとか、全然考えてなくて…ホントに傷つけちゃった…(涙)ごめん…ごめん真衣っ!!』


また涙が出そうだった。
真衣は

『謝らないで。ウチこそごめんね。』

と言うのが精一杯だった。何でかなぁ…。
直樹君の時も美菜の時も、真衣の口から言葉にが続かない。

(言わなきゃ…将斗先輩に会えないのが寂しいんだって…せっかく優しくしれくれてるのに…)

『あのね…真衣やっぱり…』

そこまで言った所でチャイムが鳴った。

『あ!予鈴!美菜、田崎、初日から遅刻とかシャレになんねぇから。行くぞ!』
直樹君が言った。
美菜は気を使ってくれたようで、

『でも真衣、何か話あるんじゃ…』

なんて言ってくれたけど、さすがに遅刻は嫌だったから

『また後で話すね』

と言って、三人で教室に走った。
この時思ったんだ。
二人の側にいちゃダメだって。

< 11 / 32 >

この作品をシェア

pagetop