素直になりなよ
気が付けば、朝になっていた。


『真衣。起きなよ。遅刻してもしらないよ。』

声はお姉ちゃんだった。
お姉ちゃんは今年から大学生だけど、まだ春休みが明けてなくて今日も休みだった。
真衣は、お姉ちゃんに話を聞いてほしかった。

『亜衣…、話したいから…入って…』

まだ声が震えていた。

『真衣さぁ、新学期早々何やってんのよ。昨日の泣き声。あたしの部屋まで丸聞こえだよ。話聞いてあげるけど、お母さんに、真衣は気分不快で学校休むってメールしてくるから。』

亜衣は厳しく、優しい。
真衣のこと、理解してくれる。
真衣の母親は昔から忙しかった。
父親はいない。
だから真衣の面倒はほとんど亜衣が見てくれていた。
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