素直になりなよ

『あんた…最低だね…。』

瞳が呟いた。
言葉を聞いた瞬間、真衣の右の方に鋭い痛みを感じた。

真衣は瞳に殴られたのだった。

『悲劇のヒーロー演じてんじゃないわよッ!将斗さんの気持ち、考えたの!?辛いのはあんただけじゃないのよ!!別れたいって言った将斗さんの気持ち、考えなさいよ!自分だけが辛いみたいに言っちゃって、バカじゃないの!?』

…その言葉を聞いた時、去年の秋の事がよみがえってきた。

< 31 / 32 >

この作品をシェア

pagetop