【長編】Sweet Dentist
先生は少し驚いたような顔をしたけれど、次の瞬間優しく微笑んで…
「そっか、がんばれよ。」って言って、髪をクシャってしてくれた。
これって多分頭を撫でてくれたんだよね?


……子ども扱いしないで欲しい。


でも、その時の先生の笑顔が余りにも優しそうでカッコよくて…悔しいけれど思わず見惚れてしまったの。

第一印象が最悪だったから、今までわからなかったけれど、先生って結構かっこいい…って言うか、かなり美形じゃない?

今更ながらに気付いた事実に、まじまじと先生の顔を見つめていると、またもや神経を逆なでる一言があたしを現実に引き戻した。

「なに?俺に惚れたの?」

……前言撤回。全然かっこよくない。性格なんで超最悪!!

すげ~~むかつくし~~~。

「先生自惚れすぎ。お年幾つなんですか?どう見てもあたしからしたらオジサンの領域ですよ。かっこいいとか惚れるとか…対象外ですね」

ビシッとそう言い放って「失礼します」と診療室のドアを開ける。

「ひっでぇ~~。オジサンかよ?まだ、経験も無い乳臭いガキに言われたくねぇよな。」

むっか~~~。誰が乳臭いのよ?

< 10 / 550 >

この作品をシェア

pagetop