【長編】Sweet Dentist
その消え入りそうな小さな呟きに胸が早鐘を打ち始める。
キスをするのにこんなに緊張した事なんてあっただろうか。
抱きしめる腕に無意識に力が入っていることにすら気付いていなかった。
「…これがおまえの本当のファーストキスだよ」
俺を真っ直ぐに見つめている潤んだ瞳を見つめ返す。
「千茉莉…瞳閉じて…」
柔らかな唇に誘われるように静かに自分のそれを重ねた。
フワリと鼻腔を擽る千茉莉の甘い香り
緊張から僅かに震えている唇を、優しく宥めるように啄んだ。
甘い柔らかな唇を弄ぶように何度も啄むと、それに応えるように俺の首に腕を回す千茉莉。
胸の奥底から愛しさが込み上げてきて徐々に深くなるキス。
唇を舌先でこじ開けると戸惑いを隠しきれない千茉莉に誘うように舌を絡めた。
必死で俺に応えようと受け入れる千茉莉を、このまま離したくなくて、焦らすように何度も何度も唇を寄せる。
キスの合間に一瞬だけ離れる唇から漏れる千茉莉の甘い溜息に、感情が暴走してもう止まらなかった。
「千茉莉…俺おまえを…」
「センセ…あたし…」
想いを告げようとした時、千茉莉が同時に何か言おうとした。
一瞬、言葉を切って見つめ合う。
~~~♪
突然俺達の静寂を破るように鳴る携帯。
…ったく、何でこうなるんだ?
さっきと同じパターンじゃねぇかよ。
また龍也だろうか。あいつなんか俺に恨みでもあるのか?
千茉莉に胸ポケットから携帯を取り出してもらい着信を確認するが見覚えの無い番号だ。
龍也だったら「邪魔すんな!」って怒鳴ってやるつもりだったが、どうも違うらしい。
不審に思いつつも千茉莉に携帯を耳に当ててもらった。
「もしもし?」
携帯の向こう側から聞こえたのは龍也ではなく
先ほどまで幸せそうに微笑んでいた懐かしい声だった。
「―――!亜希?」
++ 11月2日Fin ++
キスをするのにこんなに緊張した事なんてあっただろうか。
抱きしめる腕に無意識に力が入っていることにすら気付いていなかった。
「…これがおまえの本当のファーストキスだよ」
俺を真っ直ぐに見つめている潤んだ瞳を見つめ返す。
「千茉莉…瞳閉じて…」
柔らかな唇に誘われるように静かに自分のそれを重ねた。
フワリと鼻腔を擽る千茉莉の甘い香り
緊張から僅かに震えている唇を、優しく宥めるように啄んだ。
甘い柔らかな唇を弄ぶように何度も啄むと、それに応えるように俺の首に腕を回す千茉莉。
胸の奥底から愛しさが込み上げてきて徐々に深くなるキス。
唇を舌先でこじ開けると戸惑いを隠しきれない千茉莉に誘うように舌を絡めた。
必死で俺に応えようと受け入れる千茉莉を、このまま離したくなくて、焦らすように何度も何度も唇を寄せる。
キスの合間に一瞬だけ離れる唇から漏れる千茉莉の甘い溜息に、感情が暴走してもう止まらなかった。
「千茉莉…俺おまえを…」
「センセ…あたし…」
想いを告げようとした時、千茉莉が同時に何か言おうとした。
一瞬、言葉を切って見つめ合う。
~~~♪
突然俺達の静寂を破るように鳴る携帯。
…ったく、何でこうなるんだ?
さっきと同じパターンじゃねぇかよ。
また龍也だろうか。あいつなんか俺に恨みでもあるのか?
千茉莉に胸ポケットから携帯を取り出してもらい着信を確認するが見覚えの無い番号だ。
龍也だったら「邪魔すんな!」って怒鳴ってやるつもりだったが、どうも違うらしい。
不審に思いつつも千茉莉に携帯を耳に当ててもらった。
「もしもし?」
携帯の向こう側から聞こえたのは龍也ではなく
先ほどまで幸せそうに微笑んでいた懐かしい声だった。
「―――!亜希?」
++ 11月2日Fin ++