【長編】Sweet Dentist
「あなたあなたって…さっきから。この間も言っただろ?あなたじゃなくて先生って呼べよ。」

「尊敬できる人ならとっくに呼んでます。」

「…っ、なんだよそれ。俺が尊敬できないって言うことかよ。おまえガキの癖にマジで生意気だよな。」

「あなたになんと思われようとかまいません。そんなに尊敬して欲しかったらそれなりに思いやりのある言動をして欲しいですね。大人らしくッ!」

「ったく、おまえに付き合ってると、いちいちムカツクな。俺はおまえにかまってるほどヒマじゃないんだよ。おまえもいい加減に帰れよ。おまえみたいなガキがいたら、ホテルも営業妨害だぞ。」

「あたしは、勉強に来たんです。」

「ふふん、モノは言い様だよな。千茉莉は営業妨害が得意らしいからなあ。」

嫌味満載の言葉を次々とよくもまあ…本当に大人げ無いったら。だいたい、営業妨害って何よ。昨日だってちょっと躊躇していただけで営業妨害なんて…。

「ああ、昨日の事ですか?あのくらいで営業妨害になるなんて、Yasuhara Dental Clinicも大した事無いみたいですね。」

目には目を、嫌味には嫌味を!ふふん、どうよ?

ムッとして何かを言い返してくると思ったのに、あいつは、あたしの言葉を無視して、自動ドアから入ってきた綺麗な女の人を見ていた。

ああいう人が好みなのかな?

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