【長編】Sweet Dentist
「最初は、近くまで来る事があると、時々聖良から預かってきた日本のお菓子とか本とか届けてくれていたんです。
凄く頼りになるお兄さんって感じだったんですけど…環境に馴染めていない事に聖さんは敏感に気付いていたみたいで、ある日、あたしの住んでいる町にいきなり引っ越してきたんです。」
思い出したのかクスクスと笑いながら亜希は続ける。
その瞳は夢を語っていたあのときのようにキラキラと輝いてとても綺麗だった。
「聖さんったら『亜希が寂しくなった時に何時でも部屋に遊びに来れるようにしたかったんだ』ってそう言ったんですよ。ビックリしちゃいましたよ。」
「すげぇな。惚れこまれているじゃん。」
「ウフフッ…でもね、そのときはあたし聖さんの気持ちなんて全然知らなかったんです。あたしは妹みたいな存在で恋愛対象にはしてもらえていないと思っていたんです」
「…なんでだ?そこまでアピールしてもらっているのに」
「聖さんはずっと年上で社会人で大人で…あたしには凄く遠い人に思えたんです。
だから、聖さんの気持ちに気付くまで随分かかってしまって。
本当はずっと前から両想いだったのに、随分遠回りしちゃったんですよ。」
「聖さんは告白しなかったのか?」
「聖さんも仕事で家を空けていることが多かったのもあるし、なかなかきっかけが無かったみたいです。それに…」
「それに?」
「あたし、最初の頃ずっと響先輩の話ばかりしていたんです。
凄く好きだった人との恋を諦めて夢を選んだって聖さんには話していたの。
だから…聖さんはずっとあたしが響先輩を忘れていないと思っていたみたいなの。
あたしにとって聖さんがお兄さんみたいな存在から、いつの間にか一人の男性になっていたなんて考えてもいなかったみたいですよ。
聖さんったら自分の気持ちを気付かれないようにずっと抑えていたんですって」
凄く頼りになるお兄さんって感じだったんですけど…環境に馴染めていない事に聖さんは敏感に気付いていたみたいで、ある日、あたしの住んでいる町にいきなり引っ越してきたんです。」
思い出したのかクスクスと笑いながら亜希は続ける。
その瞳は夢を語っていたあのときのようにキラキラと輝いてとても綺麗だった。
「聖さんったら『亜希が寂しくなった時に何時でも部屋に遊びに来れるようにしたかったんだ』ってそう言ったんですよ。ビックリしちゃいましたよ。」
「すげぇな。惚れこまれているじゃん。」
「ウフフッ…でもね、そのときはあたし聖さんの気持ちなんて全然知らなかったんです。あたしは妹みたいな存在で恋愛対象にはしてもらえていないと思っていたんです」
「…なんでだ?そこまでアピールしてもらっているのに」
「聖さんはずっと年上で社会人で大人で…あたしには凄く遠い人に思えたんです。
だから、聖さんの気持ちに気付くまで随分かかってしまって。
本当はずっと前から両想いだったのに、随分遠回りしちゃったんですよ。」
「聖さんは告白しなかったのか?」
「聖さんも仕事で家を空けていることが多かったのもあるし、なかなかきっかけが無かったみたいです。それに…」
「それに?」
「あたし、最初の頃ずっと響先輩の話ばかりしていたんです。
凄く好きだった人との恋を諦めて夢を選んだって聖さんには話していたの。
だから…聖さんはずっとあたしが響先輩を忘れていないと思っていたみたいなの。
あたしにとって聖さんがお兄さんみたいな存在から、いつの間にか一人の男性になっていたなんて考えてもいなかったみたいですよ。
聖さんったら自分の気持ちを気付かれないようにずっと抑えていたんですって」