【長編】Sweet Dentist
「おまえの相手はおしまいだ。バカな事ばっかりやってないで、しっかり勉強しろよ?じゃあな。」

急いでそれだけ言うと、足早に先ほどの女性の元へと歩いていく。

きっと言い返してくるだろうと思っていたのに、アッサリと、交わされて肩透かしを食った気分だ。

あいつは、先ほどの女の人に話し掛けている。さっき言っていたお見合いの相手なのかもしれない。

あたしに見せた事の無いような優しい顔で、その人に微笑んでいる。


へえ、あんな顔できるんだ…


ふわっと、その女性に向かって笑いかけた表情がすごく優しくて、思わずドキッとしてしまった。

ヤダ…なんであんな奴意識してるのよ。
だめだめ。あんないい加減なヤツのこと気にかけちゃ。


何を話しているのかは確かに気になるけれど、でもあたしには関係ないことじゃない。

そう、ちょっと驚いただけよ。



何を動揺しているのよ




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