【長編】Sweet Dentist
でもね今回ばかりはそんな事言っていられないの。
2ヵ月後に控えた全日本パティシェ選手権大会。3年に一度の大きな大会で、あたしの出場が決まっている高校生の部でも全国の高校生が自慢のお菓子を競うことになる。
これに優勝してどうしてもフランス留学の切符を手に入れたい。
・・・・・・・で、毎日頑張りすぎた成果が虫歯。
多少の事は気合でやり過ごすタイプのあたしだけど、こればっかりは痛くてそんなことも言っていられない。
でも、嫌いなんだよね歯医者って・・・。
あの、無機質な冷たい音。きい~~~~~んって考えただけで足がすくんで動けない。
こわいよお
中学の時から家庭教師をしてくれている杏先生の知り合いの歯医者さんを紹介してもらったんだけど、今ひとつ中に入る勇気が出てこない。
「やっぱり先生について来てもらうべきだったのかなあ?」
ぽそっと呟いて、又ひとつ溜息を付く。
『 千茉莉ちゃんは歯医者さんが苦手だからねぇ。一緒に行ってあげようか?』
杏先生の言葉が耳に響いてくる。いやいや、子どもじゃないんだから!
ここで負けたら女がすたるよ(何に負けるって言うんだろう?)
キッ、と正面の【YASUHARA Dental Clinic】そう書かれた看板を見つめる。
『大丈夫、響さんはね腕がいいのよ。暁の親友だし、心配しなくても優しくしてくれるから。』
杏先生の言葉を思い出して、心の中で反芻してみる。
先生は優しい人なんだよね?で、腕が良いんだよね?うんうん、暁さんの親友だって言うし…きっと凄くいい人なんだろうな。、そうだよ。大丈夫。しっかりしろ千茉莉!!
大きく深呼吸して、最後の一息をはあっと溜息と共に吐き出すと、意を決したように看板を見つめて右足を一歩踏み出そうとした。
2ヵ月後に控えた全日本パティシェ選手権大会。3年に一度の大きな大会で、あたしの出場が決まっている高校生の部でも全国の高校生が自慢のお菓子を競うことになる。
これに優勝してどうしてもフランス留学の切符を手に入れたい。
・・・・・・・で、毎日頑張りすぎた成果が虫歯。
多少の事は気合でやり過ごすタイプのあたしだけど、こればっかりは痛くてそんなことも言っていられない。
でも、嫌いなんだよね歯医者って・・・。
あの、無機質な冷たい音。きい~~~~~んって考えただけで足がすくんで動けない。
こわいよお
中学の時から家庭教師をしてくれている杏先生の知り合いの歯医者さんを紹介してもらったんだけど、今ひとつ中に入る勇気が出てこない。
「やっぱり先生について来てもらうべきだったのかなあ?」
ぽそっと呟いて、又ひとつ溜息を付く。
『 千茉莉ちゃんは歯医者さんが苦手だからねぇ。一緒に行ってあげようか?』
杏先生の言葉が耳に響いてくる。いやいや、子どもじゃないんだから!
ここで負けたら女がすたるよ(何に負けるって言うんだろう?)
キッ、と正面の【YASUHARA Dental Clinic】そう書かれた看板を見つめる。
『大丈夫、響さんはね腕がいいのよ。暁の親友だし、心配しなくても優しくしてくれるから。』
杏先生の言葉を思い出して、心の中で反芻してみる。
先生は優しい人なんだよね?で、腕が良いんだよね?うんうん、暁さんの親友だって言うし…きっと凄くいい人なんだろうな。、そうだよ。大丈夫。しっかりしろ千茉莉!!
大きく深呼吸して、最後の一息をはあっと溜息と共に吐き出すと、意を決したように看板を見つめて右足を一歩踏み出そうとした。