【長編】Sweet Dentist
………はい?

それって歯科衛生士の資格も無い女子高生のあたしに助手もどきをさせようっていってるのよね。

ンな事できるわけないじゃない?

『ばかじゃない?患者さんに何かあったらどうするのよ。』

って、あたしは散々抵抗したのよ?

でもあいつは引き下がらなかったの。本当にどうかしているわ。そんなにあたしを困らせたいのかしら。

何とか止めさせようとするあたしに、あいつはしゃあしゃあと言いやがった。

「ちょっと子供の気を引いてくれればいいんだよ。どうも先入観で歯医者が怖いと思い込んでいる。誰かと一緒だよな。おまえなら気持ち分かるんじゃねぇ?」

誰かと一緒という言い方にカチンときたものの、ぐっと我慢して考える。

ちょっと待って?

そうよね。普段どんな顔して治療しているのか見てみるのもいいかもしれない。

「千茉莉にしか出来ない事なんだよね。子どもの心を掴むには子どもが相手をするのが一番だろう?」


ぶち!!


「誰が子どもなのよ?あたしは立派な17才の乙女です。12月には18才なんだからねっ!」

「ぶはっ!ははははっ…。乙女?自分で言うか普通?身のほど知らずもいいところだな。」

「なぁんですってぇ!」



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