【長編】Sweet Dentist
あたしにはいつもあんな態度だけど、他の人にはどんな治療しているんだろう。

もしかして子どもにワンワン泣かれちゃうとか?
でもって、子どもを怒鳴っちゃうとか?

すっげ~ありえそう。

「いいわよ。やればいいんでしょう。覚えておきなさいよ?今度は絶対にあたしがあなたにバツゲームをさせてやるわ。」


そうよ、絶対にやり返してやる。で、勘弁してくれよって言わせてやるんだ。


何だか楽しみになってきたかも…。

でもやっぱり、あいつはあいつだった・・・。

「大方俺が子どもを泣かすとか思ってるんだろう?甘いね。
千茉莉には手伝ってもらうけど、あくまでも、バツゲームだからな。俺がやれって言った事するんだぞ?いいな。来週のおまえの診療の後に予約が入っているからな。頼むぞ。」

ニヤッと笑った顔はきっと世間一般では綺麗といわれるものなのかもしれない。

でも、あたしには悪魔の笑みにしか見えなかった。

背中に黒い羽が見えたような気がするのは気のせいじゃなかったと思う。



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