【長編】Sweet Dentist
宙の家の前で運転席をスライドし、後部座席から引っ張り出してやると、長時間折りたたまれていた長い足がニョッキリと伸ばされる。
大きく伸びをする宙に荷物を投げ渡すと、それを受け取りながら渋い顔をしてボソッと呟いた。
「―ったくよぉ。あんたのプライドで千茉莉を泣かせたら―…俺がいつだって奪い返しに行くからな?」
思わずムカついてデコピンを一発喰らわせたのは自分でも大人げ無かったとは思う。
だが反射的に身体が動いてしまったのだからしょうがない。
驚いて車から出てきた千茉莉がデコを抑える宙に駆け寄ったが、それをさせまいと腕を掴み、ヤツにピシリと言い返した。
「バーカ、絶対に放すつもりはねぇし。
お前ごときに奪われるか。
100年かかっても無理だっつーの」
大きく伸びをする宙に荷物を投げ渡すと、それを受け取りながら渋い顔をしてボソッと呟いた。
「―ったくよぉ。あんたのプライドで千茉莉を泣かせたら―…俺がいつだって奪い返しに行くからな?」
思わずムカついてデコピンを一発喰らわせたのは自分でも大人げ無かったとは思う。
だが反射的に身体が動いてしまったのだからしょうがない。
驚いて車から出てきた千茉莉がデコを抑える宙に駆け寄ったが、それをさせまいと腕を掴み、ヤツにピシリと言い返した。
「バーカ、絶対に放すつもりはねぇし。
お前ごときに奪われるか。
100年かかっても無理だっつーの」