【長編】Sweet Dentist
「・・・・・・あのっ、あなたいったい?」

オロオロしているあたしを鼻でせせら笑う様にあたしを見てその男は言った。

「おまえ、杏ちゃんの紹介で来た娘だろ?なんって言ったっけ?『てまり』とか何とか・・・。」

ぷち!

頭の奥で何かが少し切れた。この人凄く嫌な奴かもしれない。

「『てまり』じゃありません。『千茉莉』です。ち~ま~り~!!」

「ふうん、名は体を表すって言うけど、本当だな。」

ぷちぷち!

「なんですって?」

「だから、名は体を表すってサ、チマチマと小さいからチマリなんだろ?」


ぷちぷちぷち!!!


むかつく!何この男? あたしは身長の事言われるのが嫌いなのよ。


初対面の金髪男に何でこんなこと言われなくちゃいけないのよ。

むっとした顔で相手をにらむと、あれ?怒ったの?なんて・・・あたりまえじゃん!!

「あなた、誰なんですか?初対面なのにすごく失礼です。それに診療室に勝手に入ったりしてっ、お医者様に迷惑・・・」

「だって、俺が医者だもん」

あたしが言い終わる前に何か信じられない言葉が金髪男の口から飛び出した。


「・・・・・・・・・・はい?」
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