【長編】Sweet Dentist
パパと響さんはすっかり打ち解けてしまったようだ。

特にパパは、響さんを気に入ってしまった様子で、まるで自分の息子のように気に掛けている。


…今日の昼間とは態度が大違いですよ?


響さんがついに観念してお酒に付き合ってくれたことが、益々パパの機嫌を良くしたらしい。

パパは男の子が欲しかったから、きっとこうして息子とお酒を飲むことに憧れていたのかもしれない。

…まだ息子じゃないけど。

でも、響さんがパパの息子になるのは、そんなに遠い未来の事じゃないのかもしれない。

だって、さっきの彼の涙を見たときから、あたしの中で確実に何かが変わり始めている。

ついこの間、結婚の話をされた時は、まったく現実味が無かった。


けれど今は…。


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