【長編】Sweet Dentist
「彼女はイギリスの貴族の出身で、日本人との結婚を実家の両親に認めてもらえていなかったんだ。
勘当同然に結婚したらしいんだが、孫の君が産まれた事もあり、両親も話し合いの場を設けてくれるなど、態度を軟化させた為、一度帰国することにしたんだよ。
だが、まだ小さかった君を長時間のフライトでイギリスまで連れて行くことをアリスさんは迷い、結局一人で旅立ったんだ。
ほんの1週間ほどで帰る予定だったんだ。
両親が認めてくれたら、今度は響君とオッサンの三人で里帰りするのだと、嬉しそうに語ってくれたのは、最後の家庭教師の日で、俺の受験の数日前だった」
そこまで言うと、パパは大きな溜息を一つ吐いた。
あたしは無意識に身体を硬くして、パパを見つめた。
響さんは覚悟を決めたように口元を引き締め、次の言葉を待っている。
パパは静かに口を開いた。
勘当同然に結婚したらしいんだが、孫の君が産まれた事もあり、両親も話し合いの場を設けてくれるなど、態度を軟化させた為、一度帰国することにしたんだよ。
だが、まだ小さかった君を長時間のフライトでイギリスまで連れて行くことをアリスさんは迷い、結局一人で旅立ったんだ。
ほんの1週間ほどで帰る予定だったんだ。
両親が認めてくれたら、今度は響君とオッサンの三人で里帰りするのだと、嬉しそうに語ってくれたのは、最後の家庭教師の日で、俺の受験の数日前だった」
そこまで言うと、パパは大きな溜息を一つ吐いた。
あたしは無意識に身体を硬くして、パパを見つめた。
響さんは覚悟を決めたように口元を引き締め、次の言葉を待っている。
パパは静かに口を開いた。