【長編】Sweet Dentist
その後、響さんはパパに付き合ってかなりの酒量を飲む事となり、愛車だけ我が家に一泊していくこととなった。
帰り際にタクシーの前で「ぜってー親父に本当の事を吐かせてやる」と、気合をいれてた響さん。
「話し合うのは酔っていないときにしてね」
と言うと、クスクスと笑ってから、急に真顔になった。
「なぁ、千茉莉。もしも本当に母さんが生きているのなら…親父がヨボヨボのじいさんになる前に、母さんを迎えに行ってやらないといけないよな?」
「…うん、そうだね」
「俺…どんな顔して母さんに会えばいいんだろう? ずっと俺を捨てたと思い込んでいて…憎む心が無かったとはいえないからな」
「…お母さんだって不安だと思うわ。幼い響さんを迎えに行けなかったこと、ずっと悔やんでいると思う。
きっと憎まれていると思っているんじゃないかしら?
もしそうだったら、気にしないでって、ちゃんと言ってあげなくちゃね?
だからこそ、お父さんと話し合って事実を明らかにしなくちゃ。
お母さんは、響さんが迎えに来てくれるのを待っている気がするの」
あたしはそう言うと、パパから預かったクッキーを響さんに渡した。
帰り際にタクシーの前で「ぜってー親父に本当の事を吐かせてやる」と、気合をいれてた響さん。
「話し合うのは酔っていないときにしてね」
と言うと、クスクスと笑ってから、急に真顔になった。
「なぁ、千茉莉。もしも本当に母さんが生きているのなら…親父がヨボヨボのじいさんになる前に、母さんを迎えに行ってやらないといけないよな?」
「…うん、そうだね」
「俺…どんな顔して母さんに会えばいいんだろう? ずっと俺を捨てたと思い込んでいて…憎む心が無かったとはいえないからな」
「…お母さんだって不安だと思うわ。幼い響さんを迎えに行けなかったこと、ずっと悔やんでいると思う。
きっと憎まれていると思っているんじゃないかしら?
もしそうだったら、気にしないでって、ちゃんと言ってあげなくちゃね?
だからこそ、お父さんと話し合って事実を明らかにしなくちゃ。
お母さんは、響さんが迎えに来てくれるのを待っている気がするの」
あたしはそう言うと、パパから預かったクッキーを響さんに渡した。