【長編】Sweet Dentist
千茉莉の誕生日の夜、タクシーに乗り込んだ直後から、俺の記憶でも未だかつて無い、超多忙を極める5日間が始まった。
今ここに二人でいるのは運命に引き寄せられている―…
と言えばそうかもしれないとも思う。
そう、多分…
俺達が初めて出逢った12年前から、運命の輪はこの日に向けてゆっくりと回り始めていたのだ。
だがこの5日間で、それはゆっくりと…
ではなく、ハムスターの回し車のような勢いのフル回転となっていた。
俺の人生30年が、僅か5日で一足飛びにひっくり返る程、事態が動いたと言っても過言ではないこの勢いに、流石の運命の輪もぶっ壊れるんじゃないか?などと、訳の分からない事が脳裏を掠めていた。
ハッキリ言って自分のおかれている状況に、いまひとつ現実味が無く、少々戸惑っているのが現状だ。
それを如実(にょじつ)に表すような先ほどの不安定な自分の発言。
…いくら心を許した恋人とはいえ、あれはイタダケナイ。
今ここに二人でいるのは運命に引き寄せられている―…
と言えばそうかもしれないとも思う。
そう、多分…
俺達が初めて出逢った12年前から、運命の輪はこの日に向けてゆっくりと回り始めていたのだ。
だがこの5日間で、それはゆっくりと…
ではなく、ハムスターの回し車のような勢いのフル回転となっていた。
俺の人生30年が、僅か5日で一足飛びにひっくり返る程、事態が動いたと言っても過言ではないこの勢いに、流石の運命の輪もぶっ壊れるんじゃないか?などと、訳の分からない事が脳裏を掠めていた。
ハッキリ言って自分のおかれている状況に、いまひとつ現実味が無く、少々戸惑っているのが現状だ。
それを如実(にょじつ)に表すような先ほどの不安定な自分の発言。
…いくら心を許した恋人とはいえ、あれはイタダケナイ。