【長編】Sweet Dentist
「あたし出直してきます。どうぞごゆっくり。センセ」

あたしは響先生に向かって冷たく言うとドアへ向かって歩き出した……つもりだった。


ぱぁん!


ガシャーーン!


いきなり右の頬が熱くなり視界が揺らいだ。

一瞬、何が起こったのか分からなかった。

視界に入ってきた散らばる治療用の器具を見て、初めて目の前が床で自分が倒れこんでいる事と、倒れた際にそれらを散乱させてしまったらしい事に気付く。


でもその時は、まだぼうっとして、何故自分が倒れたのかは理解できていなかった。



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